平成9年

国民生活白書

働く女性 新しい社会システムを求めて

平成9年11月

経済企画庁


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第I部 女性が働く社会

第2章 働く女性と企業

第3節 出産・育児,介護等への配慮の状況

(妊娠中・出産後,育児期間中の配慮)

働く女性の職場環境を考える場合,出産,育児や家庭責任の問題を無視することはできない。

妊娠中・出産後の職場の配慮についてみると,「異動の対象から外す」「時間外労働,深夜業の減免」「時間外・深夜業がない職場,体力的に無理がない職場への配置転換」「時差出勤を認める」など負担を小さくするような配慮をする企業が多い(第I-2-17図)。育児期間中についても妊娠中・出産後の配慮と同様のものがみられるが,その実施企業比率は妊娠中・出産後と比べると少ない。また,反面,負担を減らすため,昇進や役付の対象から外すと回答した企業もわずかながらみられる。

(育児休業制度は約6割の事業所で「規定あり」)

育児休業制度は,1991年に法制化され,95年4月よりすべての事業主の義務となっている。労働省「女子雇用管理基本調査」(96年)によると事業所規模計では,60.8%の事業所で就業規則等に規定されている(第I-2-18図)。その制度の詳細については,第5章において詳しく述べるが,「規定あり」の割合を事業所規模別にみると500人以上の大規模事業所においては97.1%とほとんどの事業所において規定されているが,30〜99人の小規模な事業所においては55.4%と5割強にとどまっている。育児休業制度については,性別に関わりなく取得できるが,実際の取得者はほとんどが女性となっている。しかし,近年わずかずつではあるが男性の取得者も増加傾向にある。育児休業制度が就業規則等に規定されている事業所において,出産した女性労働者のうち,制度を利用したものは4〜5割程度となっている。

(育児休業制度に比べて企業の取り組みが遅れている介護休業制度)

介護の問題は,今後,高齢化が進行していくにつれ,その負担がますます増大していくと考えられる。現在は,多くの場合女性が介護にあたっているのが現状であり,女性の就業継続に対し,大きな障害となっていると考えられる。介護休業制度についてもその制度の詳細については第5章で述べるが,その実施事業所の割合は23.2%と,育児休業制度と比較してその取り組みは遅れている(第I-2-19図)。事業所規模別にみると育児休業制度と同様に事業所の規模が大きいほど実施割合が高いという傾向があるが,大規模事業所においても68.1%にとどまっている。介護休業制度の取得者を性別にみると男性が18.7%,女性が81.3%となっており,取得者は主として女性であるが,育児休業制度と比較すると男性の取得者は少なくない。

(育児のための勤務時間短縮等の措置の状況)

育児をしながら働く女性を支援する方法としては,育児・介護休業法に規定されている短時間勤務制度,フレックスタイム制度,始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ,所定外労働の免除,事業所内託児施設等があるが,これらについては,約4割の事業所,大規模事業所では7割強で何らかの措置が実施されている。これらのうちで,最も実施割合の高いのが短時間勤務制度で60.0%の事業所で実施されている(第I-2-20図)。これに次ぐのが所定外労働の免除,始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ,フレックスタイム制度などであり,それぞれ実施割合は48.8%,43.7%,14.2%となっている。事業所内託児施設,育児に要する経費の援助措置については,実施割合は低くそれぞれ4.4%,2.1%にとどまっているが,事業所内託児施設については,近年サービス業などを中心に設置の動きがみられる。

また,これらの利用状況をみると,まず,利用者については,ほとんどが女性であるが,フレックスタイム制度においては,利用率はそれほど高くはないものの,男性の利用者が半数以上となっている。次に利用率を女性についてみると,事業所内託児施設が36.1%と最も高く,次いで育児に要する経費の援助措置が32.4%,始業・終業時間の繰上げ・繰下げが20.7%などとなっている(第I-2-21図)。