平成9年
国民生活白書
働く女性 新しい社会システムを求めて
平成9年11月
経済企画庁
第I部 女性が働く社会
第1章 社会で働き出している女性
(1970年代半ばから上昇した女性労働力率)
どのくらいの人が働いているかは,労働力人口(就業者数に完全失業者数を加えたもの)を働くことの可能な年齢(通常は15歳以上)の人口で割った労働力率で概ねみることができる。国勢調査によると,労働力率は,1920年には男性が92.2%,女性が53,4%であった。70年代半ばまでは,男女とも低下傾向にあった。その後,男性の労働力率は低下し続けているのに対して,女性のそれは上昇傾向に転じ,75年の46.1%から95年の49.1%へと3.0ポイント上昇した。この間,若年層の進学率の上昇や労働力率の低い高齢者の割合の増加という全体の労働力率を引き下げる要因もあった。そのような影響を受けにくい20歳から59歳までの女性の労働力率でみると,75年の54.2%から95年の64.4%と10.2ポイントの上昇をみせている(第I-1-1図)。
(第3次産業で増えている女性就業者)
女性はどのような産業で働いているのだろうか。1920年には,女性就業者の62%は第1次産業に従事していた。戦後,第1次産業で働く女性は急速に減り,代わって第3次産業で働く女性が増加した(第I-1-2図)。第1次産業,特に農業に従事する世帯では,女性も就業していることが多いため,産業構造や就業構造における農業のウエイトの低下は,全体としての女性労働力率を下げる原因となった。前述のように70年代半ばまで女性労働力率が低下していたことはその影響が大きい。
(一般事務や販売従事が多い女性就業者)
女性はどのような職業で働いているのだろうか。1930年には,「農林業作業者.で女性就業者の60%を占めていた。産業構造の変化に伴って職業構成も大きく変わったが,95年には「一般事務従事者」が最も多く,次いで「商品販売従事者」となっている(第I-1-3表)。なお,女性比率の高い職業は,社会福祉,保健医療など,就業者数が増えている職業が多い。
(企業でパートタイマーとして働く女性の増加)
女性の勤務形態をみると,農業に従事する女性が減少したことに伴って,家族従業者の比率が低下し,企業で働く雇用者の比率が上昇している(第I-1-4図)。後述するように,雇用者の中でも,短時間の雇用者であるいわゆるパートタイマーが増加傾向にあり,また,婚姻関係からみると既婚女性が増加している。
企業規模との関係をみると,従業員数1,000人以上の企業に勤める人の割合は,男性雇用者の22.8%に対し,女性雇用者は16.6%と,男性に比べ大企業で働く人の割合が小さいことがわかる。この傾向は年齢が上がるにつれて顕著になる(第I-1-5図)。